三角形の内角と外角の解法
■ 三角形の内角と外角
\(\triangle {\rm ABC}\) の3つの角 \(\angle{\rm A}~,~\angle{\rm B}~,~\angle{\rm C}\) を「内角」といい、内角の和は \(180^\circ\) となる。
\(\angle{\rm A}+\angle{\rm B}+\angle{\rm C}=180^\circ\)
また、\(\angle {\rm ACE}\) や \(\angle {\rm BCD}\) のように、1辺とこのとなり合う辺を延長した直線がつくる角を、点 \({\rm C}\) の「外角」という。
外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しい。
\(\angle{\rm ACE}=\angle{\rm A}+\angle{\rm B}\)
\(\angle{\rm BCD}=\angle{\rm A}+\angle{\rm B}\)
©︎ 2024 教科書より詳しい中学数学 jhs.yorikuwa.com
\(0^\circ\) より大きく \(90^\circ\) より小さい角を「鋭角」、
\(90^\circ\) より大きく \(180^\circ\) より小さい角を「鈍角」という。
三角形は、内角の大きさで次のように分類される。
① 鋭角三角形
3つの内角がすべて鋭角である三角形。
② 直角三角形
1つの内角が直角である三角形。
③ 鈍角三角形
1つの内角が鈍角である三角形。
©︎ 2024 教科書より詳しい中学数学 jhs.yorikuwa.com
問題解説:三角形の内角と外角
問題解説(1)
次の問いに答えよ。
\({\small (1)}~\)次の図において、\(\angle x\) の大きさを求めよ。
①
②
③
④
⑤
①
三角形の内角の和が \(180^\circ\) となるので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle x+50^\circ+60^\circ&=&180^\circ\\[2pt]~~~\angle x+110^\circ&=&180^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&180^\circ-110^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=70^\circ\) となる
②
三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle x&=&25^\circ+30^\circ\\[2pt]~~~&=&55^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=55^\circ\) となる
③
三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle x&=&30^\circ+40^\circ\\[2pt]~~~&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=70^\circ\) となる
④
対頂角が等しいことより、\(\angle {\rm AOB}=\angle {\rm DOC}=\angle a\) とすると、
\(\triangle {\rm ABO}\) の内角の和が \(180^\circ\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~60^\circ+50^\circ+\angle a&=&180^\circ\\[2pt]~~~110^\circ+\angle a&=&180^\circ\\[2pt]~~~\angle a&=&180^\circ-110^\circ\\[2pt]~~~\angle a&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
\(\triangle {\rm DOC}\) の内角の和が \(180^\circ\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle x+70^\circ+40^\circ&=&180^\circ\\[2pt]~~~\angle x+110^\circ&=&180^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&180^\circ-110^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=70^\circ\) となる
【別解】
頂点 \({\rm O}\) における外角を \(\angle b\) とすると、
\(\triangle {\rm ABO}\) の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle b&=&60^\circ+50^\circ\\[2pt]~~~&=&110^\circ\end{eqnarray}\)
\(\triangle {\rm DOC}\) の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、$$~~~\angle b=\angle x+40^\circ$$\(\angle b=110^\circ\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~110^\circ&=&\angle x+40^\circ\\[2pt]~~~\angle x+40^\circ&=&110^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&110^\circ-40^\circ\\[2pt]~~~\angle x&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=70^\circ\) となる
⑤
線分 \({\rm CP}\) の延長した直線と線分 \({\rm AB}\) との交点を \({\rm D}\) とする
また、点 \({\rm D}\) の外角を \(\angle d\) とすると、
\(\triangle {\rm ADC}\) の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle d&=&40^\circ+30^\circ\\[2pt]~~~&=&70^\circ\end{eqnarray}\)
また、\(\triangle {\rm PDB}\) の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、
\(\begin{eqnarray}~~~\angle x&=&70^\circ+20^\circ\\[2pt]~~~&=&90^\circ\end{eqnarray}\)
したがって、\(\angle x=90^\circ\) となる
問題解説(2)
次の問いに答えよ。
\({\small (2)}~\)三角形の2つの内角が次のとき、鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形のどれとなるか答えよ。
① \(20^\circ~,~70^\circ\)
② \(40^\circ~,~60^\circ\)
③ \(20^\circ~,~30^\circ\)
① 三角形の内角の和が \(180^\circ\) より、残りの1つの内角は、
\(\begin{split}&180^\circ-(20^\circ+70^\circ)\\[2pt]~~=~&180^\circ-90^\circ\\[2pt]~~=~&90^\circ\end{split}\)
したがって、1つの内角が直角であるので、
直角三角形
となる
② 三角形の内角の和が \(180^\circ\) より、残りの1つの内角は、
\(\begin{split}&180^\circ-(40^\circ+60^\circ)\\[2pt]~~=~&180^\circ-100^\circ\\[2pt]~~=~&80^\circ\end{split}\)
したがって、3つの内角がすべて鋭角となるので、
鋭角三角形
となる
③ 三角形の内角の和が \(180^\circ\) より、残りの1つの内角は、
\(\begin{split}&180^\circ-(20^\circ+30^\circ)\\[2pt]~~=~&180^\circ-50^\circ\\[2pt]~~=~&130^\circ\end{split}\)
したがって、1つの内角が鈍角であるので、
鈍角三角形
となる