直角三角形の証明の解法
直角三角形の合同の証明方法は、
証明を書き始める前に、見通しをたてる。
・証明する2つの直角三角形に着目する。
・仮定や仮定から導かれる根拠となることがらを考える。
・根拠より、合同条件を考える。
斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
■ 証明のすすめ方
① 着目している三角形がどれとどれかを書く。
② 仮定から根拠となることがらを書く。
③ 仮定から導かられる根拠を書く。
④ 根拠から三角形の合同条件を書く。
⑤ 三角形が合同であることを記号 \(\equiv\) で表す。
⑥ 合同な図形の性質より、結論を導く。
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問題解説:直角三角形の証明
問題解説(1)
次の証明をせよ。
\({\small (1)}~\)\(\triangle {\rm ABC}\) は \({\rm AB=AC}\) の二等辺三角形で、点 \({\rm A}\) から辺 \({\rm BC}\) に垂線をひき、その交点を \({\rm D}\) とするとき、\({\rm BD=CD}\) となることを証明せよ。
・\({\rm BD=CD}\) を示すために、\(\triangle {\rm ABD}\) と \(\triangle {\rm ACD}\) に着目する
・仮定より、\({\rm AB=AC}\) (斜辺)
・仮定より、\(\angle{\rm ADB}=\angle{\rm ADC}\) (直角)
・共通の辺より、\({\rm AD=AD}\)
・合同条件は、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
[証明] \(\triangle {\rm ABD}\) と \(\triangle {\rm ACD}\) において、
仮定より、
\({\rm AB=AC}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm ADB}=\angle{\rm ADC}=90^\circ~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm AD=AD}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいから、
\(\triangle {\rm ABD}\equiv\triangle {\rm ACD}\)
合同な図形では対応する辺の長さは等しいから、
\({\rm BD=CD}\)
[終]
問題解説(2)
次の証明をせよ。
\({\small (2)}~\)\(\triangle {\rm ABC}\) の点 \({\rm B~,~C}\) からそれぞれ辺 \({\rm AC~,~AB}\) に垂線をひき、その交点を \({\rm E~,~D}\) とするとき、\({\rm BD=CE}\) ならば \(\triangle {\rm ABC}\) が二等辺三角形となることを証明せよ。
・\(\triangle {\rm ABC}\) が二等辺三角形であることを示すために、\(\angle{\rm B}=\angle{\rm C}\) を示す
・よって、\(\triangle {\rm DBC}\) と \(\triangle {\rm ECB}\) に着目する
・共通の辺より、\({\rm BC=CB}\) (斜辺)
・仮定より、\(\angle{\rm BDC}=\angle{\rm CEB}\) (直角)
・仮定より、\({\rm BD=CE}\)
・合同条件は、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
[証明] \(\triangle {\rm DBC}\) と \(\triangle {\rm ECB}\) において、
仮定より、
\({\rm BD=CE}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm BDC}=\angle{\rm CEB}=90^\circ~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm BC=CB}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので、
\(\triangle {\rm DBC}\equiv\triangle {\rm ECB}\)
合同な図形では対応する角の大きさは等しいから、
\(\angle{\rm DBC}=\angle{\rm ECB}\)
よって、\(\angle{\rm B}=\angle{\rm C}\) となり、底角が等しいから、
\(\triangle {\rm ABC}\) は二等辺三角形となる
[終]
問題解説(3)
次の証明をせよ。
\({\small (3)}~\)次の図において、点 \({\rm P}\) から直線 \({\rm OX~,~OY}\) にそれぞれ垂線をひき、その交点を \({\rm A~,~B}\) とするとき、\({\rm OA=OB}\) ならば直線 \({\rm OP}\) は \(\angle{\rm XOY}\) の二等分線となることを証明せよ。
・直線 \({\rm OP}\) が \(\angle{\rm XOY}\) の二等分線となるを示すために、\(\angle{\rm POA}=\angle{\rm POB}\) を示す
・よって、\(\triangle {\rm POA}\) と \(\triangle {\rm POB}\) に着目する
・共通の辺より、\({\rm PO=PO}\) (斜辺)
・仮定より、\(\angle{\rm PAO}=\angle{\rm PBO}\) (直角)
・仮定より、\({\rm OA=OB}\)
・合同条件は、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
[証明] \(\triangle {\rm POA}\) と \(\triangle {\rm POB}\) において、
仮定より、
\({\rm OA=OB}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm PAO}=\angle{\rm PBO}=90^\circ~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm PO=PO}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいから、
\(\triangle {\rm POA}\equiv\triangle {\rm POB}\)
合同な図形では対応する角の大きさは等しいから、
\(\angle{\rm POA}=\angle{\rm POB}\)
したがって、
直線 \({\rm OP}\) が \(\angle{\rm XOY}\) の二等分線となる
[終]