展開・因数分解と数の性質の解法
Point:展開・因数分解と数の性質
① 与えられた数を文字を使って表す。
整数 \(n\) を使って、
・連続する2つの整数 \(n~,~n+1\)
・連続する3つの整数 \(n~,~n+1~,~n+2\)
→\((~n-1~,~n~,~n+1~)\) でもよい
・連続する2つの偶数 \(2n~,~2n+2\)
・連続する2つの奇数 \(2n-1~,~2n+1\)
② 説明の文を式にする。
例えば、
「連続する2つの奇数の積に1を加える」
を式にすると、
\((2n-1)(2n+1)+1\)
③ 展開・因数分解を用いて計算する。
\(\begin{split}&(2n-1)(2n+1)+1\\[2pt]~~=~&(4n^2-1)+1\\[2pt]~~=~&4n^2\end{split}\)
④ 結論を書く。
→「したがって、◯◯となる」
数の性質の証明は、
① 与えられた数を文字を使って表す。
整数 \(n\) を使って、
・連続する2つの整数 \(n~,~n+1\)
・連続する3つの整数 \(n~,~n+1~,~n+2\)
→\((~n-1~,~n~,~n+1~)\) でもよい
・連続する2つの偶数 \(2n~,~2n+2\)
・連続する2つの奇数 \(2n-1~,~2n+1\)
② 説明の文を式にする。
例えば、
「連続する2つの奇数の積に1を加える」
を式にすると、
\((2n-1)(2n+1)+1\)
③ 展開・因数分解を用いて計算する。
\(\begin{split}&(2n-1)(2n+1)+1\\[2pt]~~=~&(4n^2-1)+1\\[2pt]~~=~&4n^2\end{split}\)
④ 結論を書く。
→「したがって、◯◯となる」
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問題解説:展開・因数分解と数の性質
問題解説(1)
問題
\({\small (1)}~\)連続する3つの整数では、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引くと \(1\) となる。
次のことを証明せよ。
\({\small (1)}~\)連続する3つの整数では、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引くと \(1\) となる。
[証明] 連続する3つの整数を整数 \(n\) を使って、
\(~~~n~,~n+1~,~n+2\)
と表される
このとき、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引いたものは、
\(~~~~~~(n+1)^2-n\times (n+2)\)
これを展開すると、
※ この枠の中の計算は書かないでよい。
\((n+1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(n+1)^2\\[2pt]~~=~&n^2+2\times1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&n^2+2n+1\end{split}\)
\(n\times(n+2)\) は分配法則より、
\(\begin{split}&n\times(n+2)\\[2pt]~~=~&n\times n+n\times 2\\[2pt]~~=~&n^2+2n\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\((n+1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(n+1)^2\\[2pt]~~=~&n^2+2\times1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&n^2+2n+1\end{split}\)
\(n\times(n+2)\) は分配法則より、
\(\begin{split}&n\times(n+2)\\[2pt]~~=~&n\times n+n\times 2\\[2pt]~~=~&n^2+2n\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\(\begin{split}~~=~&(n^2+2n+1)-(n^2+2n)\\[2pt]~~=~&n^2+2n+1-n^2-2n\\[2pt]~~=~&1\end{split}\)
したがって、連続する3つの整数では、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引くと \(1\) となる [終]
【別解】
[証明] 連続する3つの整数を整数 \(n\) を使って、
\(~~~n-1~,~n~,~n+1\)
と表される
このとき、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引いたものは、
\(\begin{split}&n^2-(n-1)\times (n+1)\\[2pt]~~=~&n^2-(n-1)(n+1)\end{split}\)
これを展開すると、
※ この枠の中の計算は書かないでよい。
\((n-1)(n+1)\) の展開は、2乗−2乗の乗法公式より、
\(\begin{split}&(n-1)(n+1)\\[2pt]~~=~&n^2-1^2\\[2pt]~~=~&n^2-1\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\((n-1)(n+1)\) の展開は、2乗−2乗の乗法公式より、
\(\begin{split}&(n-1)(n+1)\\[2pt]~~=~&n^2-1^2\\[2pt]~~=~&n^2-1\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\(\begin{split}~~=~&n^2-(n^2-1)\\[2pt]~~=~&n^2-n^2+1\\[2pt]~~=~&1\end{split}\)
したがって、連続する3つの整数では、真ん中の数の2乗から小さい方の数と大きい方の数の積を引くと \(1\) となる [終]
問題解説(2)
問題
\({\small (2)}~\)連続する2つの奇数では、大きい方の数の2乗から小さい方の数の2乗を引くと \(8\) の倍数となる。
次のことを証明せよ。
\({\small (2)}~\)連続する2つの奇数では、大きい方の数の2乗から小さい方の数の2乗を引くと \(8\) の倍数となる。
[証明] 連続する2つの奇数を整数 \(n\) を使って、
\(~~~2n-1~,~2n+1\)
と表される
このとき、大きい方の数の2乗から小さい方の数の2乗を引いたものは、
\(~~~~~~(2n+1)^2-(2n-1)^2\)
式を展開すると、
※ この枠の中の計算は書かないでよい。
\((2n+1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(2n+1)^2\\[2pt]~~=~&(2n)^2+2\times 2\times 1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&4n^2+4n+1\end{split}\)
\((2n-1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(2n-1)^2\\[2pt]~~=~&(2n)^2-2\times 2\times 1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&4n^2-4n+1\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\((2n+1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(2n+1)^2\\[2pt]~~=~&(2n)^2+2\times 2\times 1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&4n^2+4n+1\end{split}\)
\((2n-1)^2\) の展開は、乗法公式より、
\(\begin{split}&(2n-1)^2\\[2pt]~~=~&(2n)^2-2\times 2\times 1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&4n^2-4n+1\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\(\begin{split}~~=~&(4n^2+4n+1)-(4n^2-4n+1)\\[2pt]~~=~&4n^2+4n+1-4n^2+4n-1\\[2pt]~~=~&8n\end{split}\)
\(n\) は整数であるから、\(8n\) は \(8\) の倍数である
したがって、連続する2つの奇数では、大きい方の数の2乗から小さい方の数の2乗を引くと \(8\) の倍数となる [終]
問題解説(3)
問題
\({\small (3)}~\)連続する2つの偶数の積に \(1\) を加えると、2つの偶数の間の奇数の2乗となる。
次のことを証明せよ。
\({\small (3)}~\)連続する2つの偶数の積に \(1\) を加えると、2つの偶数の間の奇数の2乗となる。
[証明] 連続する2つの偶数を整数 \(n\) を使って、
\(~~~2n~,~2n+2\)
と表される
このとき、これらの積に \(1\) を加えたものは、
\(~~~~~~2n(2n+2)+1\)
式を展開すると、
※ この枠の中の計算は書かないでよい。
\(2n(2n+2)\) は、分配法則より、
\(\begin{split}&2n(2n+2)\\[2pt]~~=~&2n\times 2n+2n \times2 \\[2pt]~~=~&4n^2+4n\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\(2n(2n+2)\) は、分配法則より、
\(\begin{split}&2n(2n+2)\\[2pt]~~=~&2n\times 2n+2n \times2 \\[2pt]~~=~&4n^2+4n\end{split}\)
これより、( ) を付けたまま展開すると、
\(\begin{split}~~=~&4n^2+4n+1\end{split}\)
\(4n^2=(2n)^2\) として因数分解すると、
\(\begin{split}~~=~&(2n)^2+2\times 2\times 1\times n+1^2\\[2pt]~~=~&(2n+1)^2\end{split}\)
\(2n+1\) は、\(2n\) と \(2n+2\) の間の奇数である
したがって、連続する2つの偶数の積に \(1\) を加えると、2つの偶数の間の奇数の2乗となる [終]

【問題一覧】中3|展開と因数分解
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