5章 図形の性質と証明
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啓林館中2 1章 式の計算
啓林館中2 2章 連立方程式
啓林館中2 3章 一次関数
啓林館中2 4章 図形の調べ方
啓林館中2 5章 図形の性質と証明
啓林館中2 6章 場合の数と確率
啓林館中2 7章 箱ひげ図とデータの活用
5章 図形の性質と証明
1節 三角形
1 二等辺三角形
\(\angle{\rm BAD}=\angle{\rm CAD}\)
\({\small (2)}~\)合同な図形では、対応する角の大きさが等しいから \(\angle{\rm B}=\angle{\rm C}\) が成り立つ
» 合同な図形の表し方
\(\begin{split}{\small (2)}~\angle{\rm E}=55^\circ~,~\angle{\rm F}=55^\circ\end{split}\)
» 二等辺三角形の性質
結論|\(\angle{\rm BAM}=\angle{\rm CAM}~,~{\rm AM\perp BC}\)
\({\small (2)}~\)[証明] \(\triangle {\rm ABM}\) と \(\triangle {\rm ACM}\) において、
仮定より、
\({\rm AB=AC}~~~\cdots{\large ①}\)
\({\rm BM=CM}~~~\cdots{\large ②}\)
また、二等辺三角形の2つの底角は等しいので、
\(\angle{\rm ABM}=\angle{\rm ACM}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③から、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
\(\triangle {\rm ABM}\equiv\triangle {\rm ACM}\)
合同な図形では、対応する角の大きさが等しいので、
\(\angle{\rm BAM}=\angle{\rm CAM}\)
また、二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分くるので、
\({\rm AM\perp BC}\)
[終]
» 二等辺三角形の証明
1組の辺のとその両端の角
» 二等辺三角形になるための条件
\({\small (2)}~\)[証明] 仮定より、
\(\angle{\rm B}=\angle{\rm C}\)
これと、\({\rm BP}\) は \(\angle{\rm B}\) の二等分線で、\({\rm CP}\) は \(\angle{\rm C}\) の二等分線であるから、
\(\angle{\rm PBC}=\angle{\rm PCB}\)
2つの底角が等しい三角形だから、\(\triangle {\rm PBC}\) は二等辺三角形となる [終]
» 二等辺三角形になるための条件
\({\rm AB=DE~,~BC=EF~,~CA=FD}\) ならば \(\triangle {\rm ABC}\equiv\triangle {\rm DEF}\) である
\({\small (2)}~\)\(\triangle {\rm ABC}\) と \(\triangle {\rm DEF}\) で、
\(\angle{\rm A}=\angle{\rm D}~,~\angle{\rm B}=\angle{\rm E}~,~\angle{\rm C}=\angle{\rm F}\) ならば \(\triangle {\rm ABC}\equiv\triangle {\rm DEF}\) である
» ことがらの逆と反例
\(a+b\) が偶数ならば、\(a\) も \(b\) も奇数である
正しくない
反例は、\(a=2~,~b=4\) など
\({\small (2)}~\)\(\triangle {\rm ABC}\) で、
\(\angle{\rm A}+\angle{\rm B}=90^\circ\) ならば \(\angle{\rm C}\) は直角である
正しい
» ことがらの逆と反例
\({\rm AB=AC}~~~\cdots{\large ①}\)
また、仮定 \(\angle{\rm A}=\angle{\rm C}\) より、\(\triangle {\rm ABC}\) は \(\angle{\rm B}\) を頂角とする二等辺三角形となり、
\({\rm BA=BC}~~~\cdots{\large ②}\)
したがって、①と②より、
\({\rm AB=BC=CA}\)
[終]
» 正三角形の性質
練習問題
\(\triangle {\rm ABC}\) が鈍角三角形 ならば、\(\angle{\rm C}\) が鈍角である
正しくない
反例は、\(\angle{\rm A}\) が鈍角など
\({\small (2)}~\)\(a\) が偶数 ならば、\(a\) が6の倍数である
正しくない
反例は、\(a=8\) など
\({\small (3)}~\)整数 \(a~,~b\) で、
\(ab\) が偶数 ならば \(a\) も \(b\) も偶数
正しくない
反例は、\(a=3~,~b=2\) など
\({\small (4)}~\)2つの直線の同位角が等しい ならば、その2つの直線は平行である
正しい
\({\small (5)}~\)2つの三角形の面積が等しい ならば、その2つの三角形は合同である
正しくない
反例は、
図のような場合、面積は等しいが合同ではない
» ことがらの逆と反例
» 二等辺三角形になるための条件
2 直角三角形
二等辺三角形の底角は等しいから
\(\angle{\rm B}=\angle{\rm E}\)
» 二等辺三角形の性質
2辺とその間の角がそれぞれ等しい
イとエ
直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
ウとオ
直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
» 直角三角形の合同条件
\(\triangle {\rm POH}\) と \(\triangle {\rm POK}\) で、
仮定より、
\(\angle{\rm POH}=\angle{\rm POK}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm PHO}=\angle{\rm PKO}=90^\circ~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm PO=PO}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③から、直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので、
\(\triangle {\rm POH}\equiv\triangle {\rm POK}\)
合同な図形では、対応する辺が等しいので、
\({\rm PH=PK}\)
[終]
» 直角三角形の証明
練習問題
\({\small (2)}~\)[証明] \(\triangle {\rm ABH}\) と \(\triangle {\rm AHC}\) で、
仮定より、
\({\rm AB=AC}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm AHB}=\angle{\rm AHC}=90^\circ~~~\cdots{\large ②}\)
二等辺三角形の底角が等しいので、
\(\angle{\rm ABH}=\angle{\rm ACH}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③から、直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので、
\(\triangle {\rm ABH}\equiv\triangle {\rm ACH}\)
合同な図形では、対応する辺が等しいので、
\({\rm BH=CH}\) [終]
» 直角三角形の証明
2節 四角形
1 平行四辺形の性質
結論|\(\angle{\rm A}=\angle{\rm C}~,~\angle{\rm B}=\angle{\rm D}\)
\({\small (2)}~\)[証明] \(\triangle {\rm ABC}\equiv\triangle {\rm CDA}\) より、合同な図形では対応する角の大きさはそれぞれ等しいので、
\(\angle{\rm ABC}=\angle{\rm CDA}~~~\cdots{\large ①}\)
\(\angle{\rm BAC}=\angle{\rm DCA}~~~\cdots{\large ②}\)
\(\angle{\rm ACB}=\angle{\rm CAD}~~~\cdots{\large ③}\)
①より、
\(\angle{\rm B}=\angle{\rm D}\)
②と③より、
\(\angle{\rm BAC}+\angle{\rm CAD}=\angle{\rm DCA}+\angle{\rm ACB}\)
よって、
\(\angle{\rm A}=\angle{\rm C}\)
したがって、
\(\angle{\rm A}=\angle{\rm C}~,~\angle{\rm B}=\angle{\rm D}\)
[終]
» 平行四辺形の証明
仮定より、
\({\rm AB=CD}~~~\cdots{\large ①}\)
\({\rm AB\,//\,CD}\) より、錯角が等しいので、
\(\angle{\rm BAO}=\angle{\rm DCO}~~~\cdots{\large ②}\)
\(\angle{\rm ABO}=\angle{\rm CDO}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから
\(\triangle {\rm AOB}\equiv\triangle {\rm COD}\)
合同な図形では、対応する辺が等しいので、
\({\rm AO=CO~,~BO=DO}\)
したがって、
平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わる [終]
» 平行四辺形の証明
練習問題
\(\begin{split}~~~a=70^\circ~,~b=110^\circ\end{split}\)
» 平行四辺形の証明
2 平行四辺形になるための条件
\(\angle{\rm A}+\angle{\rm B}+\angle{\rm C}+\angle{\rm D}=360^\circ\)
仮定より、\(\angle{\rm A}=\angle{\rm C}~,~\angle{\rm B}=\angle{\rm D}\) であるので、$$\begin{eqnarray}~~~\angle{\rm A}+\angle{\rm B}+\angle{\rm A}+\angle{\rm B}&=&360^\circ\\[2pt]~~~2(\angle{\rm A}+\angle{\rm B})&=&360^\circ\\[2pt]~~~\angle{\rm A}+\angle{\rm B}&=&180^\circ\end{eqnarray}$$これより、
\(\angle{\rm EBC}=180^\circ-\angle{\rm B}=\angle{\rm A}\)
同位角が等しいから \({\rm AD\,//\,BC}\)
同様に考えて、\({\rm AB\,//\,DC}\)
2組の向かいあう辺がそれぞれ平行であるので、四角形 \({\rm ABCD}\) は平行四辺形である [終]
» 平行四辺形になるための条件
仮定より、
\({\rm AO=CO}~~~\cdots{\large ①}\)
\({\rm BO=DO}~~~\cdots{\large ②}\)
対頂角が等しいので、
\(\angle{\rm AOB}=\angle{\rm COD}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから
\(\triangle {\rm AOB}\equiv\triangle {\rm COD}\)
合同な図形では、対応する角の大きさが等しいので、
\(\angle{\rm OAB}=\angle{\rm OCD}\)
錯角が等しいので、
\({\rm AB\,//\,CD}\)
同様に、\(\triangle {\rm AOD}\) と \(\triangle {\rm COB}\) でも考えて、
\({\rm AD\,//\,CB}\)
したがって、
2組の向かいあう辺がそれぞれ平行であるので、四角形 \({\rm ABCD}\) は平行四辺形である [終]
» 平行四辺形になるための条件
\(\triangle {\rm ABC}\) と \(\triangle {\rm CDA}\) について、
仮定より、
\({\rm BC=DA}~~~\cdots{\large ①}\)
共通の辺より、
\({\rm AC=CA}~~~\cdots{\large ②}\)
\({\rm AD\,//\,BC}\) より、錯角が等しいので、
\(\angle{\rm ACB}=\angle{\rm CAD}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから
\(\triangle {\rm ABC}\equiv\triangle {\rm CDA}\)
合同な図形では、対応する辺が等しいので、
\({\rm AB=CD}~~~\cdots{\large ④}\)
したがって、①と④より、
2組の向かいあう辺がそれぞれ等しいので、四角形 \({\rm ABCD}\) は平行四辺形である [終]
» 平行四辺形になるための条件
四角形 \({\rm ABCD}\) の2組の向かいあう角がそれぞれ等しいから、平行四辺形となり、向かいあう辺が等しいから \({\rm AB=CD }\)
» 辺や角の条件と平行四辺形
\({\rm AD\,//\,BC~,~AD=BC}\)
これより、
\({\rm AM\,//\,NC}~~~\cdots{\large ①}\)
また、\({\rm M~,~N}\) はそれぞれ \({\rm AD~,~BC}\) の中点より、
\(\begin{split}~~~{\rm AM}=\frac{\,1\,}{\,2\,}{\rm AD}~,~{\rm NC}=\frac{\,1\,}{\,2\,}{\rm BC}\end{split}\)
\({\rm AD=BC}\) より、
\({\rm AM=NC}~~~\cdots{\large ②}\)
①と②より、
平行四辺形の1組の向かいあう辺が等しくて平行であるので、四角形 \({\rm ANCM}\) は平行四辺形である [終]
» 図形の中の平行四辺形
3 いろいろな四角形
正方形は4つの角がすべて等しいので、2組の向かいあう角がそれぞれ等しくなり、平行四辺形である
(※ 4つの辺でもよい)
» 平行四辺形になるための条件
[証明] \(\triangle {\rm ABC}\) と \(\triangle {\rm DCB}\) において、
長方形の4つの角はすべて等しいので、
\(\angle{\rm ABC}=\angle{\rm DCB}~~~\cdots{\large ①}\)
長方形は平行四辺形であり、2組の向かいあう辺が等しいので、
\({\rm AB=DC}~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm BC=CB}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから
\(\triangle {\rm ABC}\equiv\triangle {\rm DCB}\)
合同な図形では、対応する辺が等しいので、
\({\rm AC=DB}\)
したがって、長方形の対角線の長さは等しい [終]
(イ)
[証明] \(\triangle {\rm ABO}\) と \(\triangle {\rm ADO}\) について、
ひし形の4つの辺はすべて等しいので、
\({\rm AB=AD}~~~\cdots{\large ①}\)
ひし形は平行四辺形であり、対角線はそれぞれの中点で交わるので、
\({\rm BO=DO}~~~\cdots{\large ②}\)
共通の辺より、
\({\rm AO=AO}~~~\cdots{\large ③}\)
①、②、③より、3組の辺がそれぞれ等しいから
\(\triangle {\rm ABO}\equiv\triangle {\rm ADO}\)
合同な図形では、対応する角の大きさが等しいので、
\(\angle{\rm BAO}=\angle{\rm DAO}\)
ここで、\(\triangle {\rm ABD}\) は二等辺三角形で \({\rm AO}\) は \(\angle{\rm BAD}\) の二等分線であるので、
直線 \({\rm AO}\) な辺 \({\rm BC}\) を垂直に二等分する
したがって、ひし形の対角線は垂直に交わる [終]
» 特別な平行四辺形
» 特別な平行四辺形
4 平行線と面積
点 \({\rm A~,~D}\) から直線 \({\rm BC}\) に下ろした垂線との交点を \({\rm H~,~K}\) とすると、
\({\rm AH=DK}~,~\angle{\rm AHC}=\angle{\rm DKB}=90^\circ\)
これより、四角形 \({\rm AHKD}\) は長方形となり、向かいあう辺は平行であるので、
\({\rm AD\,//\,HK}\)
したがって、
\({\rm AD\,//\,BC}\) [終]
» 平行線と面積
\(\triangle {\rm ACD}=\triangle {\rm ACE}\)
よって、
四角形 \({\rm ABCD}=\triangle {\rm ABC}+\triangle {\rm ACD}\)
\(\triangle {\rm ABE}=\triangle {\rm ABC}+\triangle {\rm ACE}\)
であるので、
四角形 \({\rm ABCD}\) と \(\triangle {\rm ABE}\) の面積は等しい
» 平行線と面積
この直線と辺 \({\rm QR}\) のと交点が点 \({\rm D}\) となる
» 平行線と面積
練習問題
» 平行線と面積
5 四角形の性質の利用
平行四辺形の向かいあう辺は平行であるので、
\({\rm AB\,//\,DC}\)
[終]
» 平行四辺形になるための条件
» 特別な平行四辺形
平行四辺形の向かいあう辺は平行であるので、
\({\rm AD\,//\,BC}\)
したがって、2つの板は平行となる
» 平行四辺形になるための条件
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